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『天使の代理人』 [本のこと]

「・・・・生殖可能期の女性であるかぎり、身体の奥底ではつねに、子供を生むためのリズムが刻まれている。 そう思うと女って、すごく動物的よね」 (山田宗樹「天使の代理人」より

天使の代理人

天使の代理人

  • 作者: 山田 宗樹
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2004/05
  • メディア: 単行本

妊娠中絶・堕胎をテーマにした小説です。

ほんとにもう、この山田宗樹という方は、
女性をよく研究してるなぁ、と感心。

この小説には、さまざまなタイプの女性が登場します。
生まれ育った境遇から人生観、もともとの性格、、
それに加えて、生き方の選択肢が多い現代、
それによって同じ女であっても、妊娠することに関して、こんなにも考え方が違うものかと、
改めて思い知らされました。

引用の文は、
その中のひとりの女性の台詞。
これって、最近わたしがしみじみ思うことなのです。
このあと、この女性と母親のやりとりが続くのですが、
母となり、子供の成長を見守った女性の考え方は、
ある程度経験を積まなければ、わからないのだろうな、、、と。

胎児を人間とみるか、物体とみるか。
それは誰のものか。
女性も自分の生き方を自分で決める権利がある。
そこで、望まない妊娠を、、、、どう扱う?

もちろん、ひとりで勝手に妊娠するわけではない。
その責任をとれる男性を、必ずしも選べるとは、いいきれない。
どうする?

同じ女性として、
それぞれの登場人物の考え方に、同感することもあり、
ひどく嫌な気分になることもあり、

でも、そのどれもが、
間違っているとは言えないし、
正しいとも言えない。

命について、深く考えさせられました。
衝撃的な描写もあるので、妊婦さんにはどうかしら・・・と思いますが、
妊娠する可能性をもつ女性すべてに、
そして男性にも、
読んでいただきたい作品です。

TV討論のシーンは、実在の人物を連想してしまうキャラクターがあり、
おもしろかった。

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