『天使の代理人』 [本のこと]
「・・・・生殖可能期の女性であるかぎり、身体の奥底ではつねに、子供を生むためのリズムが刻まれている。 そう思うと女って、すごく動物的よね」 (山田宗樹「天使の代理人」より
妊娠中絶・堕胎をテーマにした小説です。
ほんとにもう、この山田宗樹という方は、
女性をよく研究してるなぁ、と感心。
この小説には、さまざまなタイプの女性が登場します。
生まれ育った境遇から人生観、もともとの性格、、
それに加えて、生き方の選択肢が多い現代、
それによって同じ女であっても、妊娠することに関して、こんなにも考え方が違うものかと、
改めて思い知らされました。
引用の文は、
その中のひとりの女性の台詞。
これって、最近わたしがしみじみ思うことなのです。
このあと、この女性と母親のやりとりが続くのですが、
母となり、子供の成長を見守った女性の考え方は、
ある程度経験を積まなければ、わからないのだろうな、、、と。
胎児を人間とみるか、物体とみるか。
それは誰のものか。
女性も自分の生き方を自分で決める権利がある。
そこで、望まない妊娠を、、、、どう扱う?
もちろん、ひとりで勝手に妊娠するわけではない。
その責任をとれる男性を、必ずしも選べるとは、いいきれない。
どうする?
同じ女性として、
それぞれの登場人物の考え方に、同感することもあり、
ひどく嫌な気分になることもあり、
でも、そのどれもが、
間違っているとは言えないし、
正しいとも言えない。
命について、深く考えさせられました。
衝撃的な描写もあるので、妊婦さんにはどうかしら・・・と思いますが、
妊娠する可能性をもつ女性すべてに、
そして男性にも、
読んでいただきたい作品です。
TV討論のシーンは、実在の人物を連想してしまうキャラクターがあり、
おもしろかった。
アマゾン検索⇒山田宗樹の本
↓よろしかったら、プチッとお願いします↓
コメント 0